スタッドレスタイヤの寿命はどれくらい?交換時期や見分け方を徹底解説!
2024/10/05
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冬シーズンが近くなり、スタッドレスタイヤへの交換を検討していたり、交換準備をしていたりする方もいるでしょう。ただ、長年使用しているスタッドレスタイヤをいつまで使ってもいいのか疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。
そこで、今回はスタッドレスタイヤの寿命や交換時期について解説します。さらに、スタッドレスタイヤの寿命の見分け方や長持ちさせる方法も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
スタッドレスタイヤの寿命はどれくらい?
毎年冬になるとスタッドレスタイヤに交換しているものの、何年くらい使用できるのか疑問に思っている方もいるでしょう。
「タイヤに溝があるので、まだまだ使用できる!」と思っている方も多い中、実は溝があってもタイヤの寿命を過ぎている可能性もあるのです。
タイヤメーカーの公式な見解によると、スタッドレスタイヤの寿命は新品時から50%摩耗したタイミングといわれています。新品時から50%摩耗すると、スタッドレスタイヤ本来の性能を発揮できず、グリップ性能が大幅に低下してしまってスリップなどをしてしまう可能性が高まるのです。
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というのも、スタッドレスタイヤには「サイプ」という細かい切り込みが多数入っており、その切り込みがあることで凍結路面や積雪路面でもしっかりと踏ん張ることができるのです。
しかし、摩耗が進むにつれて「サイプ」の溝が浅くなってしまって、氷や雪が解けた水をうまく除去できなくなってしまいケースがあります。
もちろん、50%摩耗だからといって完全に走行できなくなるというわけではありません。ただ、新品時よりも凍結路面における走行性能が著しく低下していることから、重大な事故につながる可能性もゼロではないのです。
スタッドレスタイヤの寿命の見分け方
スタッドレスタイヤの寿命は新品時から50%摩耗したタイミングです。ただ、50%の摩耗がどれくらいなのか、いまいちイメージできない方も多いのではないでしょうか。
また、50%摩耗に達していなかったとしても、実は寿命が過ぎているといったケースも珍しくありません。
ここでは、スタッドレスタイヤの寿命を見極める方法について、詳しく解説します。
使用年数で判断する
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スタッドレスタイヤの使用年数から寿命を判断する方法があります。スタッドレスタイヤもサマータイヤについても、新品タイヤを装着してから5年以上経過したタイミングでディーラー等に点検してもらい、必要に応じて交換することを推奨されています。
というのも、ゴム製品であるタイヤは経年によって劣化が進行し、走行距離などに関係なく時間とともに性能が低下していくのです。タイヤには油分が含まれていますが、経年によって油分が揮発(きはつ)し、どんどんタイヤが硬くなっていきます。
タイヤが硬くなると、路面をしっかりと掴むことができず乗り心地が悪くなったり、グリップ力が低下してしまったりすることがあるのです。
そのため、タイヤの状態にかかわらず、使いはじめてから5年以上経過したら交換を検討することをおすすめします。
製造経過年数で判断する
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使用年数にかかわらず、スタッドレスタイヤの製造経過年数で判断する方法もあります。製造経過年数とは、文字通り、タイヤが製造されてからどれくらいの年数が経ったかを表す指標です。
タイヤが製造されてから10年が経過すると経年劣化が著しく進んでおり、安全に走行できなくなる可能性が高まります。ブレーキが効きづらくなったり、ハンドリングが重くなってしまったり、そのほか燃費にも影響したりするケースがあるのです。
そのため、タイヤの状態や使用年数にかかわらず、製造経過年数が10年を超えたらタイヤを交換しましょう。
なお、スタッドレスタイヤの製造経過年数を確認する方法は以下の通りです。
タイヤのサイドウォール(側面)には、「3115」「4023」といった4ケタの数字が刻印されています。この4ケタの数字は製造年と週を表しており、ここから製造経過年数を判断することが可能です。
たとえば、「3115」は2015年31週目、「4023」は2023年40週目に製造されたことを意味しています。4ケタの数字のうち、前の2ケタが週、後の2ケタが年を表していることがわかります。
残溝で判断する
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残溝からスタッドレスタイヤの寿命を判断する方法もおすすめです。先述の通り、新品時から50%摩耗したタイミングがスタッドレスタイヤの寿命です。とはいえ、50%といってもどれくらいの摩耗度合いかわからない方がほとんどでしょう。
スタッドレスタイヤには「プラットホーム」というものがあり、それを見て摩耗度合いを判断できます。「プラットホーム」はサマータイヤのスリップサインのようなものであり、プラットホームの高さとトレッド面の高さが近づいてきたら交換を検討したほうがいいでしょう。
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なお、一部のタイヤメーカー、銘柄によっては100円硬貨を使って残溝を計測する方法があります。たとえば、ブリジストンのBLIZZAKシリーズは、100円硬貨を直角に溝に差し込み、「1」が見えたら残溝が5mm程度になっていると判断できるので交換の目安となります。
ただし、すべてのタイヤメーカーや銘柄にあてはまるのではないので、あくまでも参考程度として理解しておきましょう。
状態で判断する
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タイヤの状態から交換時期を判断するのも大切です。使用年数や製造経過年数、残溝に問題がなかったとしても、スタッドレスタイヤに大きな傷や凹凸があったり、偏摩耗していたりする場合は交換したほうがいいでしょう。
とくにトレッド面(路面と接地する面)にひび割れが発生している場合は、安全に走行できない可能性が高く、早急にタイヤの交換を検討したほうがいいでしょう。万一、ひび割れが発生しているにもかかわらず、そのまま走行をつづけると、パンクやバーストを引き起こし、重大な事故につながる可能性もあるのです。
そのため、安全に走行するためにも、日頃からタイヤの状態を確認しておき、異常が発生していたらディーラー等に相談して交換を検討することをおすすめします。
スタッドレスタイヤを長持ちさせるにはどうすればいい?
スタッドレスタイヤは永久的に使用できるものではなく、使用年数や製造経過年数、残溝やタイヤの状態を確認して適切なタイミングで交換しなければなりません。
ただ、スタッドレスタイヤの交換には費用がかかってしまうので、できるだけ長持ちさせたいと思う方がほとんどでしょう。ここでは、スタッドレスタイヤの寿命を延ばす方法について紹介します。
適正空気圧を確認する
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車種やタイヤごとに適正空気圧が定められており、定期的に空気圧を点検して最適なレベルを維持しておくことが大切です。適正空気圧から外れている場合、偏摩耗が発生したり、パンクやバーストを引き起こしたりしてしまう可能性があります。
また、重大なトラブルが発生しなかったとしても、ハンドルが重くなったり、燃費が悪くなったりすることもあるのです。
とくに適正空気圧を下回っている場合は、タイヤと路面との接地面積が通常よりも増えたり、一部分だけに負荷がかかって偏摩耗したりしてしまうことがあります。その場合、通常よりもタイヤの摩耗が早く進行してしまうことがあるので、結果的に寿命が短くなってしまうのです。
そのため、少しでもスタッドレスタイヤを長持ちさせるためにも、定期的に空気圧をチェックして適正値を維持するように心がけましょう。
適正値空気圧の確認方法
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適正値空気圧は車の運転席側Bピラー等に貼り付けられた空気圧ラベルで確認できます。空気圧ラベルには適正値空気圧の値が記載されているだけでなく、純正のタイヤサイズも記載されています。
もし、空気圧ラベルがなかったり、適正値空気圧の見方がわからなかったりする場合は、ディーラー等にタイヤを点検してもらうのもおすすめです。
日常点検をおこなう
スタッドレスタイヤの日常点検をおこなうのも、長持ちさせるための秘訣です。空気圧のチェックだけでなく、タイヤにキズや凹みなどがないか、偏摩耗が発生していないかを確認することが大切です。
定期的に点検することで、トラブルを早期発見することができ、早い段階で対処できるので寿命を短くせずに済むかもしれません。
また、安全に走行するためにも日頃からタイヤの点検を心がけましょう。
タイヤローテーションをおこなう
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タイヤのローテーションも、スタッドレスタイヤを長持ちさせるための効果的な方法のひとつです。
そもそも、タイヤローテーションとは、タイヤを装着する場所を変えることを意味しています。一般的に、フロントタイヤのほうがリアタイヤよりも摩耗スピードが早いといわれているので、シーズンごとに前後のタイヤを入れ替えるのがおすすめです。
ただし、車種や駆動方式によって前後のタイヤサイズが異なるケースがあります。そういった場合は前後のタイヤローテーションができないので、左右で入れ替えるケースも珍しくありません。
とはいえ、タイヤの種類によっては回転方向が決まっているケースもあるので、タイヤサイズや回転方向、駆動方式を確認したうえで、タイヤローテーションをおこないましょう。
冬シーズンが終わったらサマータイヤに交換する
冬シーズンが終わったら、早急にサマータイヤに交換しましょう。スタッドレスタイヤの性質上、サマータイヤよりも柔らかく設計されています。路面温度が高くなる夏にスタッドレスタイヤを使用すると、冬に使用するよりも早く摩耗してしまいます。
また、サマータイヤよりも柔らかいことから、たわみが生じやすく、高速走行中にバーストしてしまう可能性もあるのです。
そのため、冬シーズンが終わったら、できるだけ早いタイミングでサマータイヤに戻しましょう。
スタッドレスタイヤの適切な保管方法は?
スタッドレスタイヤは、冬の厳しい条件下での安全運転を支える重要なアイテムです。冬が終わったら、早急にサマータイヤに交換しなければなりません。
ただ、スタッドレスタイヤを使用しない間、どうやって保管すればいいかわからない方もいるでしょう。実は、保管方法によってスタッドレスタイヤの劣化の進行スピードが変わることがあるのです。
できるだけスタッドレスタイヤを長持ちさせたい方は、適切な方法で保管しましょう。ここでは、スタッドレスタイヤの保管方法について、とくに押さえておきたい3つのポイントを紹介します。
1. 保管環境の選定
スタッドレスタイヤを保管するときは、保管する場所の環境が非常に重要です。とくに、温度と湿度に注意しましょう。
【温度】
タイヤは温度変化の影響を受けやすいので、温度が安定した涼しい場所で保管することが望ましいとされています。高温になりやすい場所で保管していると、タイヤが柔らかくなり変形してしまう恐れがあります。
直射日光が当たる場所や高温多湿な場所は可能な限り避けましょう。
【湿度】
温度だけでなく、湿度の高い場所もタイヤに悪影響を及ぼすといわれています。湿度が高いと、タイヤが劣化しやすくなるので、多湿にならない場所で保管することが大切です。
【通気性】
通気性の良さも重要なポイントです。風通しが悪い場所は、湿気がこもりやすく、多湿になりやすいのでゴムが腐食したり、変形したりしてしまいます。
できるだけ風通しがいい場所を探して、保管することをおすすめします。
2. タイヤの状態確認と準備
保管する場所が決まったら、次にタイヤの状態を確認しましょう。タイヤが破損していたり、変形していたりする場合は、ディーラー等に相談して交換が必要か判断してもらうことをおすすめします。
そのほか、保管するためにいくつか準備しなければならないことがあります。
【洗浄】
スタッドレスタイヤを保管するまえに、タイヤに付着した泥や汚れなどをしっかりと洗い流します。タイヤに汚れが残っていると、長期間の保管中にゴムが劣化する原因となります。また、洗浄後はしっかりと自然乾燥させることがポイントです。
【空気圧の調整】
洗浄が終わったら、スタッドレスタイヤの空気圧を適切な値に調整することも重要です。一般的には、製造元の推奨値に基づいて空気圧を調整します。空気圧が低すぎると、タイヤが変形する可能性があります。ただし、長期保管するときは空気圧を1.0kgf/㎠程度にするのが好ましいとされています。
空気圧の微調整が必要なので、ディーラー等でスタッドレスタイヤからサマータイヤに交換してもらうときに、空気圧も調整してもらいましょう。
3. タイヤの保管方法
ホイール付きのスタッドレスタイヤの場合、スタッドレスとホイールが一体となっているので、平積みで保管することをおすすめします。ホイールが付いたスタッドレスタイヤは重量があるので、縦置きにすると一か所に負荷がかかってしまって変形してしまうリスクがあるのです。そのため、重さを分散させるためにも平積みで保管しましょう。
一方、タイヤのみの場合は縦置きで保管することがポイントです。ホイール付きのスタッドレスタイヤと同様に平積みにするケースもありますが、平積みの場合は側面部分に負荷がかかってしまってタイヤが変形したり、タイヤのサイドウォール(側面)が劣化しやすくなったりします。したがって、タイヤ単体で保管するときは、できるだけ縦置きにすることをおすすめします。
もちろん、平積みでも縦置きであっても、タイヤに負荷がかからないわけではありません。そのため、可能であれば定期的にタイヤの向きを変えて、一か所に負荷がかからないように調整するといいでしょう。
スタッドレスタイヤに交換できる場所は?
ここまでは、スタッドレスタイヤの寿命や長持ちさせる方法に加え、正しい保管の仕方について解説しました。
ここでは、スタッドレスタイヤに交換できる場所について紹介します。
サマータイヤからスタッドレスタイヤに交換できる主な場所は以下の通りです。
- ディーラー
- 中古車販売店
- カー用品店
- タイヤ専門店
- ガソリンスタンド
- DIY
ディーラー
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車を購入したディーラーでスタッドレスタイヤに交換できます。ディーラーは主に国産タイヤを扱っており、高性能のスタッドレスタイヤを幅広い取り揃えているのが特徴です。また、ディーラーであれば、タイヤ交換に加え、ほかの部品の点検も併せて依頼できるのが魅力といえるでしょう。
待ち時間に新車の試乗や見積もり依頼もできるので、次の車のことを検討できるのもディーラーの特徴です。
中古車販売店
中古車販売店や整備工場でもスタッドレスタイヤに交換できます。中古車販売店の場合、純正タイヤ以外のタイヤも扱っているケースがあるので、国産タイヤよりも安い海外タイヤに交換できる可能性があります。
ただ、在庫を持っていないケースもあることから、注文してから交換するまでに時間がかかってしまうケースも珍しくありません。
カー用品店
カー用品店はスタッドレスタイヤのほか、ドライブレコーダーやカーナビなど、さまざまな車部品を扱っています。スタッドレスタイヤの交換と同時に、ほかのパーツの取り付けも依頼できるのが特徴です。
繁忙期になると予約が取れないこともあるので、できるだけ早いタイミングで予約を取ることをおすすめします。
タイヤ専門店
タイヤ専門店には、タイヤの知識を持った専門スタッフが在籍しています。予算や要望を伝えることで、ぴったりのタイヤを提案してくれるでしょう。
ただ、あくまでもタイヤ交換を専門にしているので、ディーラーやカー用品店のように部品の取り付けや点検の対応をしてくれないのが一般的です。
ガソリンスタンド
ガソリンスタンドでもスタッドレスタイヤへの交換に対応しています。給油のついでにタイヤ交換の相談ができるので、気軽に依頼できるのが魅力といえるでしょう。
ただ、タイヤ交換を専門にしているわけではないので、在庫がないケースも多く、交換までに時間がかかってしまうことがあります。なお、すべてのガソリンスタンドがタイヤ交換に対応しているわけではないので、事前に確認しておくことをおすすめします。
DIY
ホイール付きのスタッドレスタイヤであれば、DIYで交換している方もいるでしょう。DIYであれば工賃がかからないので、一番お得に交換することが可能です。
ただし、時間と労力がかかってしまうのが懸念点として挙げられます。また、タイヤは車の中でも重要部品のひとつなので、取り付け方を間違えると大きな事故を引き起こしかねません。そのため、知識や経験がない方にとってはハードルが高いかもしれません。
昨今は、ジャッキアップ中に車の下敷きになったという事故も多発しています。工賃がかからないのでお得な交換方法ではありますが、交換途中にジャッキが外れてしまってブレーキやサスペンションなどが破損してしまうと、高額な修理費用がかかることもあります。
車の安全性を確保するためにも、破損リスクを回避するためにも、ディーラーやタイヤ専門店などで交換してもらうことをおすすめします。
まとめ
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今回は、「スタッドレスタイヤの寿命はどれくらい?」をテーマに、スタッドレスタイヤの寿命の見分け方や長持ちさせる方法などを解説しました。
さらに、記事の後半ではスタッドレスタイヤの保管方法や、交換場所の特徴を紹介しました。
会津地方で三菱自動車の新車・中古車販売を手がける会津三菱自動車販売株式会社では、スタッドレスタイヤの交換に対応しています。さまざまなメーカー、銘柄を取り揃えているので、予算や希望をもとに最適なスタッドレスタイヤをご提案いたします。